アトピー性皮膚炎なら 失明につながる目の病気に要注意

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 網膜剥離はどうか?

「アトピー性皮膚炎の患者のなんと11%が持っていました。男性では16%、女性では5%であり、年齢分布は14~30歳でその平均は21歳でした。これは国内の複数の文献でも0~8%。この比率は、網膜剥離の自覚症状がない患者さんを対象としたものですから、一般市民における網膜剥離の日本人の発症率『1年間で1万人に1人』という比率と比べれば、大変に高い頻度です」

 このとき清澤院長が診た症例は両眼とも網膜剥離が目立ったという。

「うち77%は白内障も患っていました。眼底のよく見えない白内障患者では、白内障手術を行う際に、網膜剥離が眼底に隠れていないことをよく見極めなければなりません」

 それにしても、なぜ、アトピー性皮膚炎になると目の病気のリスクが高まるのか?

「実は顔の皮膚も、目の角膜外層・水晶体・網膜も、発生の時期には外胚葉から分化します。つまり、同じ組織から発生するわけで、皮膚も目も起源は同じなため、アトピー性皮膚炎の原因でもある炎症の悪影響を共通して受けやすいということが一つの理由として考えられます。また、アトピー性皮膚炎の患者さんは顔面がかゆいので眼球の周りを叩いたり、かいたりする。そのため外傷性剥離が多いのではないか、との説もあります」

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