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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【総合感冒薬】主成分が出荷制限となり大ピンチに?

公開日: 更新日:

 総合感冒薬の処方量は約4億1600万錠。しかも1包(錠)5円から7円と、いずれも低価格。処方金額は、すべて合わせてもわずか24億円。そのうちの約12億4000万円をPL配合顆粒(塩野義:幼児用を含む)が握っています。

 そんなマイナー市場に、今年の6月、激震が走りました。アセトアミノフェンを国内各社に卸している「原薬供給メーカー」のY社が、厚生労働省から出荷制限命令を受けてしまったのです。「無届けで中国製のものを混入していた」というのが理由です。

 アセトアミノフェンは、カロナール錠など人気の高い解熱鎮痛消炎剤に主成分として使われている薬剤です。他のクスリよりも胃を荒らすことが少なく、肝臓への負担も軽いとされており、多くの医者から信頼を集めています。

 Y社は、アセトアミノフェンの国内需要の8割をまかなっていたといいます。そのため現在では、アセトアミノフェンを使っている医薬品の多くが、在庫切れや品薄状態になっているもようです。他社に生産を委託しようにも、すぐに設備や要員を手配できるわけではないため、この問題はしばらく尾を引きそうです。ただ解熱鎮痛消炎剤としては、アセトアミノフェン以外にも豊富な種類が取り揃えられているので、代わりのものをいくらでも処方できます。

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