前立腺がん早期治療 トモセラピーのメリットとデメリット
なぜなら副作用が少ないからだ。全身転移のない前立腺がんの治療は「全摘手術」「放射線治療」「ホルモン療法」「経過観察」などがあるが、手術では尿失禁、勃起不全という副作用がある。手術支援ロボット、ダビンチの登場で率は減っているもののゼロではない。
■尿失禁もほとんど起こらない
「放射線治療のひとつであるトモセラピーはホルモン療法と併用して行いますが、低リスクの前立腺がんでは手術と治療成績が同等。中・高リスクでも同等の成績が期待できます。一方、トモセラピーでは尿失禁、勃起不全が起こりにくい」
勃起機能を術前と同様に保てる点に着目してトモセラピーを選ぶ患者も少なくない。ただし、前立腺の中を尿道が通っているため、頻尿になるリスクがある。
「1日の排尿回数が平均10~十数回に増えます。治療を終えれば、徐々に元通りになっていきます」
もうひとつデメリットとして挙げるなら、「手術であれば、再発時に放射線治療という選択肢がある。放射線治療の場合、再発時に手術は困難。一般的にホルモン療法を行うことになる」という点。これに関し、唐澤部長は「再発させないようにトモセラピーを行う、と述べるしかない。実際、再発例は現段階でほとんどありません」。