血液サラサラの薬を飲む患者の手術では「出血」に気を配る
基本的に、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している患者さんの予定手術を行う際は、3日ほど前からいったん薬を中断し、出血しやすい状態ではなくしてから実施します。
しかし、普段から抗凝固薬や抗血小板薬を服用している患者さんが突然、発作を起こして救急搬送され、緊急手術を行う場合は出血しやすい状態のまま臨まざるを得ません。飲んでいる薬が抗凝固薬のワーファリンであれば、ビタミンKを投与することで薬の作用を中和できます。ただ、中和しすぎて逆に血液が固まりやすい状態にならないよう注意しなければなりません。
■予定手術なら服用を中断して臨めるが…
ワーファリン以外の中和できない薬を飲んでいる患者さんの緊急手術では血液製剤を使います。たとえば、抗血小板薬を服用しているなら、血小板製剤を投与しながら手術を行うのです。
薬の作用で、縫合や癒着を剥がした箇所から出血してくる場合、出血しているところを一つ一つしっかり止血していくしか手だてがありません。出血している箇所を電気メスで焼いたり、細い血管も丁寧に結紮していきます。それが最も確実な方法です。