尿タンパクで「様子見を」…安心か否かは尿潜血で見極める
尿検査の一つ、尿タンパクは「-」が正常で、「+-」「+」が要注意、「2+」から異常アリと診断されます。尿タンパクを起こす要因として重要なのは腎臓の異常。医師としては、これを念頭に診断することが大切ですが、日常の診療で「様子を見ましょう」というケースが珍しくありません。
実は、腎臓に関係しない尿タンパクがたくさんあるのです。一つは、運動や食事の影響。検査の前の日に激しい運動をしたり、肉や魚などのタンパク質を大量に摂取したりすると、運動性尿タンパクや食餌性尿タンパクに。風邪やインフルエンザなどで高熱を出したときも尿タンパクが出ることがあります。
女性は妊娠や生理の前後も尿にタンパク質が混じりやすい。前の晩に性行為があると、精液や膣分泌液などが混入し、検査結果が陽性になる可能性もあるでしょう。思春期くらいまでの子供なら、起立性尿タンパクの可能性も。通常の検査では「+」なのに、静かに寝て採尿すると「-」になるのです。発生頻度は意外と高く15%という報告もあります。一般には子供の病気ですが、あるとき中年の患者さんが起立性尿タンパクで驚いたことがあります。