抗インフル薬「アビガン」は新型コロナに本当に有効なのか

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■類薬では効果ありとは判定されなかった

 今回、治療薬候補として名前が挙がっているのは抗インフルエンザ治療薬「アビガン」、抗HIV薬「カレトラ」、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」、抗マラリア薬の「クロロキン」、さらに新型コロナウイルス感染症から回復した患者から採取した「血漿」などだ。

 このうちアビガン、カレトラ、レムデシビルについて、一部の医療機関で必要な患者に観察研究として使用を開始し、安全性に留意しつつ、参加医療機関を順次拡大。レムデシビルについては3月に国際共同医師主導治験を実施予定だという。

「抗インフルエンザ薬のひとつであるアビガンは今のところ新型コロナ肺炎の患者に投与して有効だったという数例の症例報告はありますが、まとまった患者で検討したランダム化比較試験はないようです。さらに、投与した患者と、していない患者を比較した観察研究の結果もないようです。そのため、薬の力で回復したのか、患者の自然治癒力のせいなのか不明で、多くの患者に使う根拠にならないのです」

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