5つのサイトカインを発見 血液検査で重症化リスクがわかる
■感染初期から予測可能
一連の研究の結果、軽症回復者と重症化患者を分けることが可能な因子として、「CCL17」「IFN―λ3」「CXCL9」「IP―10」「IL―6」が同定されたという。
とくに重症者のCCL17は、感染初期から数値が基準値よりも低く、その後、重症化するまで低い値が続いたという。一方で、軽症者では健常者とほぼ同じ値だった。残りの4因子は、感染初期では重症者、軽症者にかかわらず違いはなく、重症患者では、重症化する数日前から急激に血中濃度が上昇し、5倍以上に達することがわかった。
とはいえ、この5つの因子が他の病気でも新型コロナウイルス感染したときと同じような数値の動きをする場合は、新型コロナウイルス感染症の将来の重症度を測るマーカーにはなりえない。はたして、この5つの動きは新型コロナウイルス感染症の重症化に特異的なのだろうか?
それを調べるため、研究チームは他の疾患群(C型慢性肝炎、児童精神疾患、2型糖尿病、慢性腎不全、慢性心不全、間質性肺炎、関節リウマチ)からの採血で確認したところ、CCL17が低い値を取るのは、新型コロナウイルス感染症の重症者のみだったという。