清水俊彦
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清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

夜、眠るときに必ず夢を見るのは「脳が完全に休めていない」ことの表れ

公開日: 更新日:

 50代半ばという年齢ではめったにない異常な興奮状態の脳波の持ち主。今回も引き続きその女性記者さんの話をしたいと思います。

 若い世代ならいざしらず、50代ともなると脳波が激しい興奮状態を示すことはそうはありません。

 では、なぜ彼女の脳はそんなふうになっているのか。診察室で問診をしているうちに、この記者さんは夜眠るときに「必ず夢を見る」と話すことが引っかかりました。

 記者さんは「でも8時間以上は寝ているから、睡眠不足では決してない」と言い張りますが、夢を見ているということは脳が休養できていないということ。睡眠時間が8時間であっても、きちんと脳が休めているのはそのうちの何時間であることか……。

 この興奮状態の脳波は、睡眠の質が関係しているのではないか。そう考えた私は、睡眠中に脳もしっかりと休めるように2種類の薬を処方しました。バルプロ酸ナトリウム錠とクロナゼパム錠、それぞれ眠る前に飲んでもらうことにしました。どちらも脳の興奮状態を抑制し、片頭痛を予防する効果のある薬です。

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