水虫がある人は「メラノーマ」に気をつけたい…30%は足裏に発症する
誰にでも必ずあり、チャームポイントにもなりうるホクロ。しかし、年々大きくなったり、盛り上がるようなら「悪性黒色腫(メラノーマ)」の可能性がある。日本では10万人に1~2人の割合で発症し、皮膚がんの中でも最も悪性度が高いとされている。東京慈恵会医科大学皮膚科学講座教授の延山嘉眞氏に聞いた。
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メラノーマとは、紫外線などによる刺激で皮膚の色素をつくるメラノサイトが悪性化した皮膚にできるがんのことで、主に4つのタイプがある。ドーム状の黒い膨らみができる「結節型」、全身のあらゆる部位に黒い平らなホクロができる「表在拡大型」、顔など紫外線にさらされやすい部位に不規則な形のホクロができる「悪性黒子型」、足裏や手のひら、手足の爪に左右不規則な黒いホクロができて、その一部が盛り上がる「末端黒子型」に分類される。ほかにも鼻腔や食道、直腸、肛門などの皮膚以外にできる「粘膜型」がある。中でも日本人は「足裏」のメラノーマが多く、全体の約30%を占めるとされている。
「初期ではかゆみや痛みの自覚症状がないうえに、病変が黒くならないタイプもあり、発症が見落とされやすい。進行して皮膚の真皮に入り込むと、患部周辺のリンパ節(所属リンパ節)に転移したり、血液を介して肺や肝臓、脳、骨へ遠隔転移していきます。病変の厚みが4ミリを超えると転移するリスクが高くなるので、自己判断で放置せず、早めに皮膚科を受診する必要があるのです」