人工透析を回避するためにこれからやれることをやっていこう
これまで約半年にわたって「慢性腎臓病(CKD)」についてお話ししてきました。なぜ、これだけ時間をかけて詳しく話してきたかというと、慢性腎臓病になると、連鎖してほかの臓器も悪くなっていく可能性が非常に大きいからです。
慢性腎臓病はステージがあり、かなり進行しないと自覚症状が出にくい病気。そのため「慢性腎臓病だと言われたけど、元気だし、放置していてもいいだろう」と考える患者さんはかなり多いんですね。
決して脅かすつもりはありませんが、私は「放置していていい」から「放置せずに、医師に相談を」というように患者さんの考え方を変えていきたいと思っており、この連載でも何度も繰り返しそうお伝えしてきました。
透析をしていない慢性腎臓病の患者さんの死因は、心臓や脳の病気が多い。慢性腎臓病の患者さんがこれらの病気に罹患する可能性は、健康な人の約3倍になるという報告があります。
慢性腎臓病と聞くと、すぐ「人工透析になるの?」と心配されがちなのですが、慢性腎臓病の患者さんの中で人工透析を受けている患者さんは、現在全体の約2%となっています。