依存症の人が見えている世界(2)快楽物質を求めてより刺激的な行為を繰り返すように
厚労省によると、アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症の精神科外来患者は約12万5000人(2021年)。これらの依存症以外にも、ネット依存やホストへの依存など現代社会ならではの依存もよく耳にする。
依存対象が多様化することで、依存症患者も増えているのか? この問いに、数多の依存症患者を更生に導いているライフサポートクリニック・山下悠毅院長は「依存症患者が増えているとは断定できない」と前置きした上で、「依存症の存在が広く認知されるようになり、『もしかしたら自分も依存症かも』と思う方は増えている」と指摘する。
「〇〇の傾向があるから依存症になりやすいとは一概に言えません。卵が先かニワトリが先かではないですが、仕事や人間関係のストレスからお酒やギャンブルに依存する人もいれば、お酒やギャンブルに依存した結果、仕事や人間関係が立ち行かなくなる人もいる。気分が落ち込んでいると、何かに依存しやすくなりますし、一方で依存的な行為を終えると、気分が落ち込む人もいます」
依存症は、脳の仕組みによって引き起こされる病気だという。