(2)「健診結果の厳格化」が進み、その流れに抗するのは難しくなる
さらに最近では、基準値よりも病気の予防を目的とした「管理目標値」が重要視されるようになってきています。基準値とは、健康な人を大勢集め、測定値の上位と下位の、それぞれ2.5%を除いた値、つまり健康な人の95%が収まる範囲のことです。しかし管理目標値は、通常の基準値よりも厳しく設定されています。
たとえばLDL(悪玉)コレステロールに関して、数年前まで基準値は65~163mg/dlでした。しかしいまは、管理目標値の60~140mg/dlが、そのまま基準値とされています。つまり140mg/dlを超えたら、動脈硬化などの予防的治療の対象になるというわけです。
こうした動きに対抗して、「健診結果にあまり神経質になる必要はない」という医師や専門家も少なくありません(筆者もそちら側に組しています)。しかし健診結果の厳格化は、若い世代で支持を集めていますし、製薬メーカーや健康食品メーカーにとってもウェルカム。そうした流れに抗するのは難しくなってきています。(つづく)