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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

高齢者に痛み止めはどのくらい危険なのか…多くの副作用あり

公開日: 更新日:

 痛み止めは、飲むだけでつらい痛みや熱などの症状を和らげてくれますから、大変便利な薬です。以前はお医者さんでしかもらえなかった痛み止めの多くが、今は薬局やコンビニでも簡単に購入することができます。

 ただ、痛み止めは決して無害な薬ではありません。連用や飲み過ぎによって胃潰瘍や腎機能障害など、多くの副作用が起こることが知られています。特に高齢者では、心臓病などを合併していたり、薬が体にたまりやすいなどの問題があって、より副作用が出やすいといわれています。

 そこで注目されているのが、「どの痛み止めを選ぶのか」という点です。痛み止めの種類によっても、その副作用の強さは違うという考え方があるからです。一番安全な痛み止めとして知られているのがアセトアミノフェンです。

 今年の関節炎などの専門誌に、イギリスにおいてアセトアミノフェンの安全性を検証した論文が掲載されました。65歳以上でアセトアミノフェンを使用した18万人以上の患者を解析したところ、痛み止めの使用により、胃潰瘍などのリスクが24%、大腸からの出血のリスクが36%、腎障害のリスクも19%増加していました。

 安全とされている痛み止めでも、副作用のリスクはあるようです。特に高齢者では、痛み止めは必要最小限度にとどめるようにしてください。

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