よくある介護の悩み(4)ひとりでトイレに行けなくなってしまった…改善できるのか
■認知症が進行している場合は難しい
ただし、病気やケガで脳の大部分が壊れて高次脳機能障害があり、何年も経過している場合では回復は厳しくなります。また、90歳以上の加齢によって肛門周囲の括約筋や骨盤底筋が衰えて、肛門や尿道の締まりが緩くなり漏れてしまうケースも難しいといえます。
認知症が進行してトイレに行けなくなっている場合も、尿意や便意、排泄そのものが理解できなくなってしまうため、改善は困難です。そうなると、どうしても尿や便を失禁してしまうことになり、治療ではなく介護となります。そうした方には、簡単に着脱できるおむつ=リハビリパンツとパッドを装着し、失禁したら自分で交換できるかどうかを試します。自分で取り換えられるようであれば自宅退院できますが、ひとりで交換できない方は家族やヘルパーの介助が必要です。それが可能なら、自宅での介護ができます。ただ、それも難しいとなると、施設での長期療養となるのが一般的です。
介護では、尿や便を失禁しても不潔にさせないために、おむつを何時間おきに交換すればいいかを把握することが大切です。最近はおむつの質が良くなっていますから、1日4~6回くらいの交換で問題ない印象です。