「俺を1番に好いてくれるのは誰?」アプリで会った3人の女を天秤にかける51歳男【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

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コクハク

51歳、アプリの出会いに期待はなし

「冷酷と激情のあいだvol.226〜女性編〜」では、アプリでマッチした恋人候補の男性との関係に悶々とする佳子さん(48歳・仮名)の心情をお届けしました。出会ったばかりで告白も経ていない関係なのに“彼氏ヅラ”する相手に苛立ちが募ります。
 相手のカズトモさん(51歳・仮名)はどう思っているのでしょうか。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

「今ちょうど佳子ちゃんが離席しているから言えますけど…。

 ぶっちゃけマッチングアプリでの出会いには期待なんてしてないんですよ、俺。だから今日、こうやって佳子ちゃんの仲間と一緒に酒を飲んでいるのも不思議ですね。

 でも楽しいなぁ。大勢で飲むのはコロナ禍の前以来だから、もう何年もこういう機会がなかったなぁ。今日みたいな楽しい場に参加できたのは間違いなく、佳子ちゃんのおかげですね」

恋人候補として見ているからこそ

 上機嫌で佳子さんとの出会いへの感謝を口にするカズトモさん。アプリでの出会いを通じて交友関係が広がる実感があり、「楽しい」と何度も口にします。

「ちょっと前に他の女性と会ったときには、その子の女友達が合流してきて酒を飲んだんですよね。

 なんだかこっちが一方的に品定めされているみたいで居心地が悪かったし、会計はその子の分まで俺が払ったから、あんまりいい思い出じゃないですね!

 それに比べて今夜は、佳子ちゃんが俺を恋人候補として見ているからこそ大事な仲間たちに会わせてくれたんでしょうから、すごく嬉しいです」

 カズトモさんは饒舌に話し続け、終始ニコニコとした顔。佳子さんとの関係にも自信を滲ませます。

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実は3人の女性と関係中

「佳子ちゃんはさ〜、きっともう俺のことが好きなんでしょうね? じゃなければ、こんな場に俺を連れてこないでしょうから!

 でも参ったよなぁ〜、ここだけの話なんですけどね。俺は今、佳子ちゃん以外にも2人の女性とデートを続けていて、佳子ちゃんを入れると3人の女性の間で揺れているんですよ。

 まぁその中でも、佳子ちゃんが俺のことを1番好いてくれていそうな気はしていますけどね。

 俺、もう恋愛とか結婚とかで失敗したくないから、俺が好きになる女性よりも俺のことを好きな女性から選ぼうって決めているんですよね。

 だから女性たちの本気度っていうの? どれだけ俺のことを好きになってくれるのかを、ちゃんと見極めたいってのが強いんですよね」

「いい経験になった」は20代まで

 今すぐにパートナーを絞る考えはないと主張するカズトモさんは、あと数カ月は3人の女性たちと一定の距離を保った関係を続けるつもりだと言います。

「擬似恋人関係っていうのかな。俺と実際に付き合ったときにどういう態度になるのかも見ていきたいから、絞り切るまでに俺から多少の距離は縮めていこうって思ってますよ。

 体の関係はどうかなぁ〜、ケースバイケースってとこかな。

 もうね、俺ほんとに失敗は嫌なんですよ。恋愛での失敗って時間のムダって気がしません?

 いい経験になった、なんて言えるのは20代までだと思うんですよ」

 ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

(並木まき/ライター・エディター)

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