「綱を引く」堂場瞬一著
「綱を引く」堂場瞬一著
アイルランドからの留学生、ケリー・オキーフは、教育実習に来ていた蒲田の小学校の体育館で綱引きの綱を見つけて歓声を上げた。
綱があることを知らなくて驚く教頭に、真島工作所の経営者、真島晃生は、綱引きは運動会だけでやるものではなく、体重制で8対8で行う競技綱引きもあり、世界大会も行われていると説明した。地元のチームは、かつては全国大会の常連だったのだ。
正月には道路を通行止めにして100人対100人の綱引きをやっていた。蒲田にはプルスターズというチームもあったと聞いて、ケリーは「やりましょう」と言った。彼はアイルランドで綱引きの選手だったのだ。
留学生のひと言がきっかけで再起動した綱引きチームの物語。 (実業之日本社 1980円)