維新「教育無償化」で少数与党にモーレツ揺さぶり…インチキ政策の全国化へ、セコすぎる皮算用
党勢衰退に歯止めがかからず、悪目立ちが際立つ日本維新の会が24日召集予定の通常国会に向け、動き回っている。
10日は、自公与党と教育無償化に関する3回目の実務者協議を開催。4月から所得制限のない高校授業料の無償化を実施するよう要求したが、与党側の柴山元文科相は「極めてハードルは高い」と難色を示し、持ち越しとなった。少子化対策を考えれば早期実現に越したことはないが、性急感は否めない。
維新が示した教育無償化をめぐる工程表には、来年度入りする4月から所得制限なしの高校授業料の無償化▽0歳から2歳までの保育無償化▽学校給食費の無償化──が盛り込まれた。保育と給食費の実施は再来年度からで、来年4月に実施するというもの。
必要な財源は高校無償化だけで約6000億円。いわゆる「103万円の壁」の178万円への引き上げをめぐり、「財源確保は政府が考えるべきだ」などの無責任発言でヒンシュクを買った国民民主党との違いを見せたいのか、行財政改革で捻出するとしている。
国民民主に続き、維新が与党との政策協議にこぎ着けたのは、昨年の臨時国会でまとまった今年度補正予算への賛成が引き換え。その延長線上に来年度予算案への対応がある。前原共同代表は4月からの高校無償化を予算賛成への「必要条件」とし、保育と給食費無償化の道筋をつけなければ賛成できないと吹っ掛けている。少数与党へのモーレツな揺さぶりと、本拠地の大阪府で「実現した」とホラを吹き続けている教育無償化は無関係ではなさそうだ。