4年前の3倍に! 「のり」の価格高騰はいつまで続く? 恵方巻にも影響の恐れ
「のり」の価格高騰が止まらない。
「全国漁連のり事業推進協議会」(以下・のり推進協)の統計によると、漁連や漁協が販売するのり1枚あたりの平均単価は2020年度は10.48円だったものが、今年度は31.01円に高騰。実に3倍近くに跳ね上がっている。その要因について「のり推進協」は「記録的な不作が22年度から続いているためです」と説明する。
■有明海の不作
「全国的に気温や水温が高く、のりの主要な産地のひとつである有明海ではのりを生産していく秋冬の降雨も少なく、晴天が続き、植物プランクトン(赤潮)が発生。のりの成長に必要な栄養塩を食べてしまい、生産量が減っています」
有明海は全国ののり生産の約6割を占めている。同海での生産量減少がのりの価格高騰の大きな要因だが、プランクトンによって栄養塩が食べられた他にも「魚による食害も深刻」(のり推進協)だと続ける。
「瀬戸内海や東京湾では魚による食害も深刻です。主にクロダイがのりを食べており、クロダイは河口や浅瀬にもいて、漁獲することが難しい。食害を防ぐためにはのり網をさらに網で囲う必要があり、のりを育てる労力が大きくなっていることも生産量が減ってしまっている要因です」