大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ
また、話題の“2億円トイレ”こと「トイレ5」も、一部使用できない状態が続いている。日刊ゲンダイ記者が8日に確認したところ、トイレの半分がメンテナンス中で使用できなかった。
SNS上では「水圧が弱く排水管が詰まったのではないか」の指摘が拡散したが、設計者で建築家の米澤隆氏が自身のXでこれを否定し、現状を説明。ウエットティッシュや生理用ナプキン、石などの異物が流入したことで「排水ポンプがエラーを発し停止した」とのこと。現在は「流入する異物の量を抑制し排水ポンプが停止するリスクを下げる」ため、利用を制限しているという。
前出の森山氏は「普通のトイレならば異物が混入してもここまでのトラブルにはならないはず」と、こう続ける。
「排水をスムーズに行うには、下水管に傾斜をつけるといった対策が考えられます。しかし、会場は軟弱地盤のため地中深くまで地面を掘れず、こうした仕組みも作れない。虫の大量発生と同じく、水量が限られているため、排水に回せない可能性もある。もともと、夢洲はゴミを埋め立てた人工島。水のトラブルは、環境の脆弱さが生んだ“宿命”です」