「東京23区内」「都心から30分圏内」「個室・テレワークOK・快適」…3条件を満たす宿泊施設の「最適解」が南千住にあった!
1万円でオツリがくるゾ!
リーズナブルな宿で懸念される防音性だが、滞在中に騒音はなく、スタッフも「クレームはほとんどない」と話す。利用者はサラリーマン、現場作業員、観光客、長期滞在者、居住者とさまざまで、外国人は1割程度。館内は静かで落ち着いていた。
次に、気になる共用部分だが……。浴室は清掃が行き届き、循環濾過装置が導入されている。湯船は、4人がゆったり入れる広さ。時間帯で男女の利用時間が区切られているものの、別途設置されたシャワーブース3室は24時間使えるのもうれしい。
トイレは各階完備。ウォシュレット付きの個室2室と小便器が3台、洗面台1カ所。それとは別に流し4台を備えた洗面室もあり、混雑する印象もない。水回りの環境はヘタな安宿よりもはるかに良質だと言っても過言ではない。
食事は徒歩1分のコンビニで調達でき、館内で完結するのも手だ。しかし、宿代を抑えたのだから、近隣でのリフレッシュも勧めたい。徒歩圏内にある「改栄湯」や「湯どんぶり栄湯」は、全国のサウナーが足を運ぶ名所。さらに吉原という大人の街もある。
取材を終えた記者は共用風呂を堪能してから、ホテルに隣接する「中華居酒屋かすみ」へ。昭和レトロな雰囲気漂う空間で、ビール2杯に川エビ、もつ煮、明太子を頼み、2900円。味はもちろんボリュームも満点だ。
この日の出費は宿泊費5500円、アメニティー(歯ブラシ50円、タオル小50円、大100円、ガウン200円)、居酒屋、そして自販機の水を合わせて計8930円。都内でここまでコスパの良い拠点があるとは驚きだ。ドヤ街付近の3畳1間は、出張族の新たな「最適解」である。
(杉田帆崇/日刊ゲンダイ)