著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

攻めの姿勢を崩さぬ高島屋「従業員ファースト」を貫く理由

公開日: 更新日:

 とはいっても、労使関係がいくら良好でも、新型コロナ時代の難局を乗り切れる保証はどこにもない。

「今月初旬からお中元商戦が各店舗でスタートし、まずまずの出足。問題はインバウンドがいつ戻るかですが、こればかりは我々の工夫だけではどうにもならず、頭が痛いところ」(前出の中堅社員)

 5月のインバウンド売上高は前年比98・7%減。完全に壊滅状態だが、海外から客が来られないのでは、なす術がない。

「直接、インバウンドに結びつく話ではありませんが、海外の拠点は一時の危機的状況から脱しつつあります」(前出の中堅社員)

 上海高島屋がいち早く再開したのに続き、1年半前にオープンしたタイ・バンコクのサイアム高島屋も通常営業に戻っている。バンコクでは伊勢丹がこの8月に撤退。リストラを繰り返す三越伊勢丹と対照的に、高島屋の積極策が目立つ。

「スーパー以外は休業しているシンガポール高島屋はまだメドが立っていませんが、現地政府から固定資産税を免除されることが決まっている。全館休業していたベトナムのホーチミン高島屋はすでに通常営業に戻っています」(前出の中堅社員)

 これだけ一気に攻めてしまうと、反動も怖い。クラスターにならないことを祈るばかりだ。

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