自民派閥“パー券裏金疑惑”を岸田首相ノンキに傍観…自分も告発対象なのに危機感ゼロの裏事情
ターゲットは安倍派と二階派
パー券裏金疑惑では、政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が派閥の会長や会計責任者を刑事告発。慣例に反して、首相に就任しても派閥会長を続けている岸田首相本人も告発の対象になっているのに、岸田首相はまるで危機感がないように見える。
「岸田政権を支える主流派は麻生派、茂木派、岸田派です。一方、特捜部のターゲットは主に安倍派と二階派とされている。総理はこの状況を“ラッキー”と考えているフシがあります。非主流派の二階派と安倍派が身動きを取れなくなれば、岸田降ろしも仕掛けられないからです。2派閥がガタガタになって弱体化すれば、総理にとっては、むしろ好都合なのかもしれません」(官邸関係者)
長期政権を築く野望のために、党内の派閥に過剰なほど目配りしてきたのが岸田首相だ。内閣支持率がこれだけ低迷していても、最大派閥の安倍派と、“政敵”の菅前首相と気脈を通じる二階派が自滅すれば、主流3派に支えられた岸田首相が来年の総裁選でまさかの再選というシナリオもあり得なくはない。
「党内派閥のバランスを重視して、国民の方を見ようとしないのが岸田首相の政権運営ですが、世論を軽んじていたら自民党自体が瓦解しかねません。派閥の裏金問題は、国民から見れば、どこの派閥が悪いというより自民党全体の問題なのです。自民党総裁として指導力を発揮することなく、派閥任せにしている首相の態度は到底、理解されません。来年の通常国会は間違いなく『政治とカネ国会』になる。岸田首相が対応を誤れば、支持率下落に歯止めがかからず、党内政局ではなく国民の怒りの声で退陣に追い込まれる可能性もあります」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
国民の信頼を失った自民党は次の総選挙で下野まで行ってもおかしくない。自分の保身延命で頭がいっぱいで世論が読めない岸田首相はあまりに能天気すぎる。