有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ブラザー工業(上)仁義なき戦いから一転、ローランドDGの買収を“断念”

公開日: 更新日:

 タイヨウがブラザーを上回る価格を提示するかにかかっていたが、4月26日にブラザーのTOB価格を上回る5370円に引き上げると表明した。

 ローランドDGは1981年、電子楽器大手ローランド(浜松市)の関連会社として設立された。2000年に当時の東証2部に上場し、02年に東証1部に昇格した。

 親会社のローランドで創業者と経営陣の対立が起きる。創業者は梯郁太郎(17年4月に87歳で死去)。電子ピアノやドラム、ギターシンセサイザーなど電子楽器を数多く世界に送り出した。80年代に演奏情報を電子信号に変換して伝送するための世界共通の規格「MIDI」(ミディ)を生み出した功績が評価され、13年米グラミー賞のテクニカル・グラミー賞を個人の日本人として初めて受賞した。

 創業者の梯と社長の三木純一の意見の違いが明らかになったのは13年のことだ。ローランドは13年3月期まで4期連続の赤字を計上したため、三木ら経営陣はタイヨウ・パシフィック・パートナーズと組んでMBOを計画した。これに対し、「MBOはタイヨウによる乗っ取りだ」と梯は強く反発した。

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