「うまい棒」値上げが波紋…コスト高に苦しむ駄菓子業界、メーカーが吐露した“ジレンマ”
子どものために、価格転嫁はナーバスになる
「あらゆる製造コストが上昇し、値上げ圧力は高まっています。一方で、駄菓子は子どもが手にするものだから、価格転嫁にはどうしてもナーバスになる。お菓子にくじをつけるのもコスト増要因なので年々厳しくなっていますが、子どもの楽しみですからなんとか残していきたいと思っています」
子どもにとっては、1円だって大きい。駄菓子メーカーが極力値上げを抑えたいと思うのは当然で、各社は奮闘している。「フィリックスフーセンガム」で知られる丸川製菓(愛知)の企画部にも聞いてみた。
「駄菓子以外にボトルガムなどを販売しており、売れ行きは好調です。大人やインバウンドの方に向けた商品なども充実させ利益を確保することで、子どものためにも駄菓子の値段をなるべく守っていきたいです」
「ココアシガレット」で知られるオリオン(大阪)もこう言う。
「駄菓子は薄利多売が原点ですが、『ココアシガレット』をタブレット状にした大人向けの商品なども販売し、多角化しております。私たちにはこれまで築き上げたブランド力や発想力がありますので、皆さんに手に取ってもらえる商品を生み出し売り上げを維持することで、なるべく値上げをしないよう頑張っていきたいと思います」(高岡五郎常務)
駄菓子の安さと楽しさは、メーカーの企業努力によるところが大きいようだ。
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