「うまい棒」でおなじみ駄菓子の老舗やおきん ヒット商品作りの極意は「購買層に合わせない」

公開日: 更新日:

「うまい棒」「キャベツ太郎」「蒲焼さん太郎」──。日本人なら誰もが一度は手に取り、食べたことがあるはずだ。商品を手掛けるのは1960年創業の株式会社やおきん。同社は先を見通すのが難しい激動の時代をどのように戦っていくのか。

 取材に対応してくれたのは営業企画部の田中浩次さん(47)と、小野貴裕さん(42)。それぞれ、「小学生時代はまだ見ぬ商品を求めて隣町の駄菓子屋まで遠征していた」(田中さん)、「学生時代は白米+キャベツ太郎+マヨネーズの『スナック丼』で飢えをしのいだ」(小野さん)という独特なエピソードの持ち主だ。いまも当時の情熱のまま駄菓子に向き合っているという。

 ◇  ◇  ◇

 ──さまざまな「うまい棒」グッズを出しています。

「大半は販売目的ではなく、キャンペーンの景品用で広報、宣伝が目的です。小学生のころは駄菓子を食べていても、徐々に駄菓子から遠のきがちです。キャンペーンで話題を集めることができれば、そんな層を呼び戻せるし、長年のファンの歓心も買える。その結果、長く愛してもらえる商品になるのです」(田中さん)

 ──「うまい棒」の発売当初からパッケージに登場しているキャラクター名は、誕生40周年の2019年に「うまえもん」に正式決定しました。

「実は2000年ごろにも、命名について社内で議論がありました。しかし、当社が名前を付けると、別の呼び方で愛着を持ってくれていた方の気持ちや思い出はどうなるのかなと。それで、棚上げされたままだったのです。19年に妹キャラの『うまみちゃん』が誕生して……、(真顔で)いや、留学先のウマイアミ州から帰ってきた(※という設定)。そこで“兄”であるアレの名前は、と。40周年を機に、公表は大々的にではなく静かに、ひっそりと(笑)」(田中さん)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動