10.1内定式後も採用活動を続ける企業の本音…背景に人手不足と就活の早期化が
「就活の早期化で内定を受ける機会が増え、一人の学生の内定社数の平均は2.6社に上り、内定取得学生の多くが複数の企業から内定を得ている。内定を辞退する学生は毎年増えており、企業は学生を引き留め、囲い込むため内定式を重要な区切りと捉えています」
採用予定に対する内定者の充足率の平均は54%。大手企業では6割を超えるが、中小企業では44.3%まで下がる。業界別でも金融の67.4%に比べ、サービス業は48.7%と差が開く。
企業、業種によるが、面接や内定出しのタイミングを前倒しで進めても企業間の競争が激しく内定者を確保できず、内定式後も採用活動を継続している企業の割合は年々増加している。
しかも採用を継続している企業の6割近くが「募集人員の充足は難しい」と考え、充足できる見込みを持つ企業は約19%でしかない。新卒者獲得争奪戦の厳しさがうかがえるのだ。
一方、今年の就活生に対し企業側が持つ印象は「就業意識の低い学生が増えた」「企業理解、仕事内容への理解不足の学生が増えた」と感じる企業が4割前後となっている。
「就業意識や企業理解などが高い学生と低い学生の差が開き、学生の二極化が進んでいるとみる企業が6割を超えています」(前出の吉田氏)
人手不足、売り手市場に学生側も甘えてはいけない。
(ジャーナリスト・木野活明)