著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

中国とはわけが違う! 華奢な日本の観光地は崩壊寸前…一定の規制はもはや避けて通れない

公開日: 更新日:

 最近、中国人の間では、日本人が行く“ニッチな場所”に行きたいというニーズが高まっている。地元民しか行かないような裏山、地元客しか行かないようなスナック……、そんなところにも中国人観光客は神出鬼没だ。

 そして、SNSで発信するとそこは瞬く間に“穴場観光地”となり、中国人観光客が殺到する。中国人の行動パターンを決めるのは「小紅書」という中国版インスタグラムだ。彼らはここで紹介された観光情報をなぞるようにして徘徊する。「小紅書」のオススメとなれば、中国人観光客は大雪の白川郷でも震えながらアイスクリームを食べる。それほどの影響力を持つ。

■「東京はどこも密すぎる」

 中国の春節休み。不景気といわれているにもかかわらず多くの人が旅行に出かけた。大型連休に決まってSNSに投稿されるのは、人でごった返している全国の観光地の画像だ。高速道路は渋滞し、観光地の入り口では5時間待ち、どこへ行っても黒山の人だかりーーこんなコメントも珍しくない。

 中国の観光地もすでにオーバーツーリズム状態だ。しかし、それでもなんとか持ちこたえているのは、観光地の規模が大きいからだ。天安門広場も万里の長城も、中国国内はもとより全世界から観光客を受け入れるだけのキャパはある。しかし、日本はどうだろうか。街づくりは道幅も狭くコンパクトで、観光地と住宅地は背中合わせ、あるいは観光地の中に生活空間がある場合もある。店舗も狭く、数人が入ればあっという間に満席だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  2. 2

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  3. 3

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  4. 4

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ

  5. 5

    牛丼大手3社は明暗クッキリ…圧勝「すき家」擁するゼンショーHDの強みは海外のすし事業

  1. 6

    大阪・西成には1泊100万円超の民泊が登場 中国人経営者が次々参入狙い

  2. 7

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  3. 8

    オーバーツーリズムに住民の我慢も限界…政府は「訪日観光客6000万人」目標も現場の実情とは大きく乖離

  4. 9

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  5. 10

    政府備蓄米放出でもコメ高騰が止まらない! 消費者の「コシヒカリ」信仰も一因か

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ