備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」
作況指数の2、3ポイントの差で、コメの全生産量およそ680万トンに対して14万~21万トンほどの誤差が生じるという。
さらに、コメの生産量は10アールあたりの収穫量に作付面積125.9万ヘクタールを掛けたもので算出されるが、作付面積自体の誤差も指摘されている。
「農水省は令和6年の作付面積は前年比1.7万ヘクタール増と発表しています。ところが、その数字に、高齢化による中小農家の離農や稲作以外の作物への変更が反映されていないといわれています。作付面積に1~3ポイントの差異が生じるだけで、収穫量は6.8万~20.4万トンほど変わってきます。仮に作況指数と作付面積が誤っていたとしたら、コメの全量は発表されている数字より20万~60万トンほど少ない可能性があるのです」(常本氏)
1995年の食糧管理法廃止で、政府はそもそも実際の流通量を把握しきれなくなっているとのこと。今回の備蓄米放出でスポット価格が下がらなかった場合、農水省の推定生産量そのものが間違っている可能性が高いと常本氏は話す。
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