都心と千葉県を結ぶ「新湾岸道路」建設プロジェクトは動き出したが…課題は山積み
新湾岸道路が渋滞解消に効果があるのは間違いない。ただ、想定されるルートの沿線には貴重な干潟が広がる三番瀬、谷津干潟、市川野鳥の楽園、稲毛浜など自然環境保護が大きな問題。
この湾岸エリアには、すでに渋滞解消を目的として東京都大田区と千葉県市原市を結ぶ「第二東京湾岸道路」の計画が存在する。しかし、三番瀬を埋め立てて通るルートへの住民、自然保護団体の反対で建設は白紙撤回されたまま30年近く塩漬けされた状態だ。
第二東京湾岸道路の建設の見通しがまったく立たないまま、新湾岸道路プロジェクトの建設が進むことに、先の黒崎課長がこう述べる。
「第二東京湾岸道路のように長期にわたり建設が塩漬けになるようなことがないよう、スタートから皆さまの意見を聞き、複数のルート案を早急に決め、再度皆さまに提案しご意見を伺いながら進めていきたい」
周辺には自然環境をはじめ多くの住宅団地が広がり、発電所、製鉄所など大規模工場が隣接する。生活環境、環境保護に配慮し、住民の理解を得ることがプロジェクト推進の最大の課題だ。第二東京湾岸道路建設に反対してきた、共産党の丸山慎一・千葉県議会議員がこう指摘する。