著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

原首相暗殺の背後にちらつく「右翼」の影…伏せられた事実

公開日: 更新日:
平沼騏一郎(左=国立国会図書館所蔵画像/共同通信イメージズ)と鈴木喜三郎(日本電報通信社撮影)

 この裁判は事件からほぼ3カ月後に始まったが、実は裁判が始まる前にさまざまな動きがあり、そこには伏せられている事実がいくつもあった。大正11年2月13日から4カ月の間に9回しか開かれなかった法廷は、予審判事の山崎佐の作成した調書に基づいて時間を急ぐように進んだ。きわどい部分や動機…

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