著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

告発本「敗因を衝く」を書いた田中隆吉…国民が知らない内容でたちまちベストセラーに

公開日: 更新日:
田中隆吉。特務機関として中国での工作や作戦に従事し、陸軍省兵務局長、陸軍中野学校長などを歴任。戦後、極東国際軍事裁判で検察側証人として証言を行った。写真は兵務局長在任時の1941年撮影(C)共同通信社

 戦争責任者を裁く、あるいはその責任の実態を明確にするというのが、昭和20(1945)年8月15日の敗戦後の社会の動きとなっていった。とはいえ食べるものもなく、住む家とてないという状況の中で、戦火によって命を失うことはなくなったにせよ、国民は日常生活の基盤が全くない環境で生きてい…

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