著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

東京地方裁判所は平民新聞の堺利彦に「新聞紙条例」違反で禁錮3月の判決を下した

公開日: 更新日:
1907(明治40)年ごろの東京、浅草・仲見世。「仁丹」「浅草勧業博覧会」の看板が見える(C)イマジンネット画廊所蔵/共同通信イメージズ

 平民新聞の筆禍事件はしばしば法廷に持ち出され、論説などの執筆者は刑を宣告されたが、堺利彦や幸徳秋水なども決して黙ってはいなかった。その裁判の模様を紙面に掲載して読者に忿懣をぶちまけている。裁判所の判決をそのまま載せたのだ。

 実際にこうして掲載された判決文を読んでいくと、…

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