著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

東京五輪銀・競歩のエースに“あり得ない”血液ドーピング…疑惑を晴らすのは陸上界の重要な仕事だ

公開日: 更新日:

 池田向希(旭化成)のドーピング疑惑報道には驚いた。

 競歩界のエース、東京五輪とオレゴン世界選手権のメダリストは、歩形の美しさで国際的にも知られ、例えるなら80年代の瀬古利彦のような存在だ。

 世界陸連の独立監査機関(AIU)から暫定的な資格停止処分が下され、所属する旭化成、日本陸連が処分取り消しの手続きに入っている。禁止薬物違反ではなく、定期的に検査される生体パスポートの血液データに異常があったため、血液ドーピングが疑われているという。

 血液ドーピングとは、自分の血液を抜いて冷凍保存し、レース前に輸血することで赤血球を増やし、酸素運搬能力を高める原始的な方法。戦前から陸上長距離種目で行われていた。

 1984年のロス五輪を思い出す。男子1万メートルで2位になった選手が筋肉増強剤(ステロイド)の薬物違反で失格になった。五輪前の検査はシロ。ところが、薬を使った時期の血液をレース前に注入したことで薬物使用がバレた。お粗末な話だったが、後に優勝選手も血液ドーピングを打ち明けている。当時は合法で、別人の血液を輸血した死亡事故をきっかけに87年に禁止された。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動