証拠があるのになぜ犯人逮捕に至らず…「世田谷一家殺害事件」はどうしたら解決するのか
「日本のDNA型鑑定は、DNAのうち身体的特徴や病気に関する情報が含まれない部分(個人識別のみ)を活用しています。米国をはじめ、海外ではDNA型から遺伝子解析をしていて、髪色から病歴をはじめ属性(性別・年齢・身体的特徴)などの遺伝情報も解明しています。米国ではそれで多くの事件を解決に導いている。犯人の髪の毛や目の色、親の国籍(ルーツ)もわかりますから。しかし、日本ではプライバシーにかかわるため、そこまでは踏み込めません。一方で被害者の人権とは何でしょうか。事件解決に向けて、DNAの個人識別と遺伝情報がともに活用できるよう呼びかけています」(警視庁の捜査本部が置かれている成城署の元署長・土田猛さん)
現在、DNA型の採取や利用、保管や消去などを定めた法律はない。2005年に国会で法制化の必要性が議論されたが、その後はうやむやになっていることから、「DNA活用の法制化」を望む声が出ている。