河村たかし名古屋市長のトンデモ発言は浅薄な頭にネトウヨ思想を流し込んだだけ
「あの戦争は何だったのか」「東京裁判は何だったのか」「天皇の戦争責任は」、それらを問う芝居「夢の泪」(井上ひさし作)を上演中であるが、トンデモ発言が飛び出した。
またまた河村名古屋市長である。
5月14日、名古屋城が戦火で燃えた日であることから、この日を「なごや平和の日」と決めたという会見で、普通なら戦争を否定し平和を祈念するメッセージを発するところを、「(戦争で)死んでいった人たちに思いを寄せないといけない」と述べ(ここまではいい)、「祖国のために命を捨てるのは高度な道徳的行為だ」と発言したのだ。
その後の記者の質問に答えて「国に命を捧げるのは大変勇気のあること。『サンキューベリーマッチ』と言わなきゃ、みんなの福祉も平和も保てないんじゃないんですか」とも言っている。
あの戦争で死んだ日本人は兵士230万人、外地の一般邦人死者数約30万人、内地での戦災死亡者約50万人、合わせて約310万人となっている。
兵士の多くは補給路を断たれた末の餓死。民間人はずるずると降伏を遅らせ、空襲や原爆で死んだ。これがお国のために戦ったと言えるのか。これは「見殺し」である。殺したのは敵ではなく、味方の日本ではないか。こんな死を憂えることはあっても賛美してはならない。