著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「東京裁判に国民が共鳴したから天皇巡幸は盛り上がりを見せた」

公開日: 更新日:
大阪市の戦災孤児の学園を巡幸した昭和天皇(1947=昭和22=年6月7日、大阪府泉大津市)/(C)共同通信社

 全国巡幸に関わるエピソードをもう少し語っておきたい。この巡幸は2つの意思が衝突していたというのが真実である。1つはGHQ(連合国軍総司令部)のGS(民政局)の将校を中心に、天皇は本当に国民の信頼を集めているのか、実は敗戦の責任や恨みを持つ国民が多く、実際に全国を回ればおのずと国…

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