韓国・尹錫悦大統領に前代未聞の出国禁止措置…逮捕ほぼ確実も「死刑」はあるのか?
包囲網が狭まっている。韓国法務省は9日、「非常戒厳」をめぐる内乱容疑で捜査対象になっている尹錫悦大統領の出国を禁止した。政府高官らを捜査する「高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)」の申請に基づく措置。韓国で現職大統領が出国禁止措置を受けるのは初めてだ。
現職トップが内乱容疑で捜査される前代未聞の事態に韓国政界は大揺れだ。
与党「国民の力」は尹大統領に関して「外交を含む国政に関与しない」(韓東勲代表)と、政局の安定化に必死。一方、最大野党「共に民主党」は法的根拠のない大統領権限の移譲に猛反発している。7日に廃案となった弾劾訴追を改めて国会に提出し、14日にも採決を目指す方針だ。
気になるのは、尹大統領の捜査の行方。逮捕されるのか。コリア・レポート編集長の辺真一氏がこう言う。
「内乱容疑は大まかに3段階に分かれます。責任の重い順に、頭目(首謀者)、実行者、共犯・ほう助です。頭目は言わずもがな尹大統領。大統領に戒厳令を進言したとされる、つまり実行者にあたる金龍顕前国防相は身柄を拘束されました。非常戒厳直後に国会周辺へ警察を動員した警察庁トップらも共謀・ほう助で告発されています。頭目たる尹大統領は、ほぼ間違いなく逮捕されるでしょう」