米ツアーで2位 石川遼を躍進させた「シード落ち」の挫折と吹っ切れ
その甲斐もなく、いや、だからこそ石川は翌シーズンのシード権獲得に失敗。腰痛を抱えている、プロのコーチがいないなどの理由はいろいろあるが、石川の「試行錯誤」は自信のなさの表れだった。
その石川が吹っ切れたのはシード権を取れず、下部ツアーでの入れ替え戦に回ったころから。初戦こそ予選落ちしたが、残る3戦はトップ10入り。そして14年開幕戦が21位タイ、今回が2位タイ。タイガーなどトップクラスが出ていないとはいえ、昨年とは雲泥の差だ。
石川はこう言っている。
「ここ2カ月くらいは何も変えていない」
要するにシード落ちしたことで「覚悟」を決めたのだろう。失うものは何もない。迷いも吹っ切った。
「緊張する場面でも無心になって、同じスイングができた感触がある。2試合やってみて少しずつ安定感が出てきた。精神状態も良く、波が立たないように冷静にプレーすれば、トップ10に入れるかなと思ってやっていた」
あとは厳しい首位争いで、最終日のようなプレーができるかどうかだ。