川内にすがるしかないニッポン男子マラソンのお寒い現実

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 12月1日に行われた福岡国際マラソン。2時間9分5秒で3位、日本人としては最上位の成績を収めたのが、埼玉県庁に勤める川内優輝(26)だ。

 優勝こそ逃したものの、これで14年仁川アジア大会の代表入りは濃厚。レース前は2時間7分30秒を切れないか、アジア大会の代表を逃した場合は日本代表からの引退も考えていただけに、「タイムは不満だが、この結果は、代表になれ、という声だと思う」と、独特の言い回しで胸の内を語った。

 日本陸上連盟にしてみれば川内の活躍は痛しかゆしだろう。「公務員ランナー」という異色の経歴もあり、いまや日本男子マラソンの「顔」である川内は企業に所属していない市民ランナー。いつまでもデカい顔をされては面白くない。

 そもそも、夏場に弱い川内では五輪のメダルは期待できない。来年もアジア大会で優勝すれば15年世界陸上(北京)の代表となり、そこで日本人トップで入賞すれば16年リオ五輪のキップを手に出来る。しかし、世界陸上は2年おきの8月に行われる。日本より気温の低い11年大邱(テグ)大会と今年のモスクワ大会で、いずれも18位だった。猛暑の北京大会は厳しいレースが予想され、五輪が行われるリオの8月も平均気温は20度以上。最高気温が26度に達する日もある。

 ちなみに川内のライバル、ロンドン五輪代表の藤原新(32)は20キロ付近で棄権。2時間8分を切れない市民ランナーの日本人1位は、男子マラソンのレベルの低さを物語っているだけだ。

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