「監督人事」記事火種で取材規制 阪神フロントに疑問の声
阪神がえらくピリピリしている。火種になったのは、23日に複数のスポーツ紙が報じた「阪神岡田監督再登板」の記事だ。
ある阪神OBは「阪神が23日のゲーム前に『岡田再登板』を報じたスポーツ紙2社に、和田監督への取材禁止を通達したのです」と、こう続ける。
「つい先日も、阪神の監督人事を報じたスポーツ紙に同様の処置がとられました。現場を守りたいフロントとしては、CSも残っているし、順位がはっきりしない段階で次期監督について報道されたら、チームに混乱をもたらすと考えているんでしょう。関西マスコミにとって阪神の監督人事はおいしいネタ。『9月病』で優勝から遠のいたのだから、3年契約が今年で切れる和田監督の次に注目が集まるのは当然。それを記事にされて、『取材規制』というのはいかにも今の阪神らしいが……」
そもそも阪神が強くて魅力あるチームであれば、スポーツマスコミもこの時期に監督人事で騒ぐことはない。プロ野球の球団経営に関する著書もある工藤健策氏(スポーツライター)が言う。
「阪神は、以前はマスコミに情報を提供して、ファンが騒ぐことによってチームを盛り上げるという雰囲気があったが、大きく体質が変わった感がある。大金をかけて補強しても優勝できないなら、ストーブリーグになるのは常勝を求められる人気球団の宿命。スポーツマスコミがシーズン終了前に次期監督人事を書くのは、フロントのチームづくりが失敗しているということ。失敗をマスコミに書かれたくないという“責任逃れ”の心理が情報操作という行動につながっていると思う。それに、順位は3位に終わっても、巨人にCSで勝てるという自信があるなら、いくらマスコミが騒ごうが堂々としていればいいんです」