僕の15年間のプロ野球生活はたった5分で“ピリオド”
頭から冷や水をかけられるような電話でした。
2005年9月25日。二軍で悶々としていた僕の携帯電話が鳴りました。液晶に目をやると、球団マネジャーからです。
よっしゃ、一軍昇格やな。やっときたよ。
7月6日に肉離れで二軍落ちしてから、2カ月半。足の故障はすっかり癒え、実戦復帰した二軍では打率3割を軽く超える成績を残しながら、一向に上からお呼びがかからない。若い選手の「絶好調なのに、なんでですかね」という言葉に苦笑いを浮かべて悔しさをごまかす毎日を過ごしていただけに、年甲斐もなく舞い上がりました。
お疲れさまです!
いつも以上に明るい調子で電話に出ると、マネジャーが対照的な低いトーンで言いました。
「清武球団代表が、明日の夜6時に帝国ホテルに来てくれって」
そういうことか……。
翌日、5時40分に約束の帝国ホテルに着くと、あまり早く行くのもかえって失礼と思い、駐車場に止めた車の中でボーッと時間を潰しました。