僕の15年間のプロ野球生活はたった5分で“ピリオド”
クビか……。もう野球ができなくなるのか……。
5分前に指定された部屋を訪ねたものの、代表はまだ来ていない。椅子には座らず、窓際に立って待っている間の静寂がいよいよ気分をめいらせました。6時8分に部屋に入ってきた代表は、遅れたことを詫びるでもなく、「単刀直入に言います。来年は戦力として考えていません」といきなり切り出しました。
「どうします?」
どうしますと言われても、いきなりのことですから今ここですぐに返事はできません。
「そうですか。一応、西武からトレードの話があります。辞めるか、移籍するか、3日後に電話をするので、そこで返事をください。話は以上です」
お疲れさまも、ありがとうの言葉もないまま、巨人一筋15年間の僕の野球人生はわずか5分でピリオドを打たれました。
ショックというより、悔しかった。レギュラーに定着し切れず、誇れるような数字は残してはいません。でも、浪人してまで入った憧れの巨人で自分なりに精いっぱいやってきたつもりです。一言、よくやってくれた、と言われれば、なんの悔いもなくユニホームを脱いでいたと思います。