5年前に監督代行経験 ヤクルト小川SDが語る「オリとの違い」
休養した森脇監督に代わってオリックスの指揮を執るのが、それまでヘッド格だった福良淳一監督代行(54)だ。
いまから5年前、同じヘッドコーチから、監督代行に就任してチームを救った人がいる。ヤクルトの小川淳司前監督(57=現シニアディレクター)だ。10年5月、高田監督の辞任を受けて借金19のチームを託されながら、シーズン終盤に借金を完済。最終的に貯金「4」で、CS争いにも加わった。小川前監督は当時、どのようにしてチームを立て直したのか。本人に聞いた。
――福良監督代行が指揮を執るオリックスは、小川SDが監督代行に就任した当時と状況が似ています。
「私の場合、監督代行になったのは本当に青天の霹靂でしたし、実際代行監督になっても何をすべきかがわからなかった。福良監督代行も大変だと思います」
――小川SDは当時、低迷するチームを変えるうえで、最初に取り組んだのはどんなことですか?
「チームを引き継いだ時は9連敗中だったので、試合前に『一丸になって目の前の試合に勝とう、1勝しよう』と全員を集めて話しました。負け続けていると気持ちも沈みますし、選手もいろいろと考え込んでしまうもの。そういうのをなくそうとしました。私が監督代行になった初戦は楽天戦だったのですが、幸いにもこの試合を引き分けた。本当は勝てばよかったのですが、引き分けでも『負けなかった』。これが大きかった。『連敗は止められる』という空気になり、選手の目の色も変わった気がします」