MLBが球団拡張 日本球界“マイナーリーグ化”拍車に懸念の声
「前田や金子ならメジャーでもローテに入れますけど、多くの球団で不足しているのはリリーフ投手です。特に七、八回を任せられる安定感あるセットアッパーを欲しがっている球団は多い。先発と守護神は万全でも、中継ぎが崩れて試合を落とすケースが増えているのです。求めているのは日本でクローザー経験のある投手。セットアッパーとして起用できる上に、守護神が故障や不調の場合は代役も任せられる。2年300万ドル(約3億7000万円)程度の安い金額で獲得できるのも魅力的です」(ナ・リーグのスカウト)
■アマチュア選手も根こそぎ?
金銭面を含めた条件より、とにかくメジャーでプレーしたいという選手も多い。例えばブルージェイズの川崎は日本なら億単位の年俸を稼げるのに、マイナー契約でも移籍した。レッドソックスの田沢のように、日本のプロを経ずにアマチュアから直接、夢を追う選手も出てきた。
「新球団設立に際してメジャー球団は通常、参入の3~4年前にまず傘下のマイナーを立ち上げて基盤づくりをします。かつてのDバックスのように資金力のあるチームはともかく、補強は思うように進まないし、自前で選手を育成するしか方法がないからです。球団拡張によって、日本の学生や社会人をこれまで以上に積極的に獲得してマイナーで育てようとする球団が増えるのではないか。即戦力のプロはもちろん、将来有望なアマチュアまで根こそぎ持って行くようになるかもしれません」(前出・友成氏)