「日本は人情主義が行き過ぎ」 識者がプロ野球の“弊害”指摘
「今の球界は日本的な人情主義が行き過ぎています」と言うのは、スクール東京・最高名誉顧問で組織論が専門の成川豊彦氏。
「40歳を過ぎても年俸に見合った働きをしているなら結構。でも、人気がある、話題がある、記録がかかっているといって、戦力にならないベテランが居座るケースが目立ちます。こういうベテランが一人でもいると、チームの組織は硬直化します。一、二軍で若手の出番が減ったり、支配下選手枠は70人と限られているわけですだから、戦力になるかどうかの境目にいる若手、中堅選手がクビになることもあります。その結果、実力主義が失われてしまうなら、肝心の勝負に対するファンの興味も薄れてしまうのです。たとえば、中日の山本昌投手は50歳まで現役を続けていることは素晴らしいと思う半面、今季は0勝。2勝や3勝していれば話は別ですけど、勝てない、投げられないというのでは、今年限りで身を引くべきだと思います」
■WシリーズのMVP松井も年齢がネックに
海の向こうのメジャーリーグでは、選手の人数や文化の違いがあるにせよ、選手に対してはシビアだ。メジャーに詳しい友成那智氏は「メジャーでも実績を残した松井秀喜氏ですら、38歳でユニホームを脱がざるを得なかった」とこう続ける。