「谷繁の兼任が中途半端に」 権藤博氏が今季低迷の中日を斬る
■ベンチ内での意思疎通は?
就任1年目の昨年。91試合に出場し、そのうち81試合の先発出場にとどまった谷繁にはだから、「もっと試合に出ろ。出なくちゃダメだ」とハッパをかけた。しかし、今季の出場はわずかに29試合で、スタメンマスクは14試合。結果は2年連続のBクラス、今季は最下位争いである。
不安は的中した。どちらも中途半端になった。12年に中日の一軍投手コーチを務めた私は、ドラゴンズのピッチングスタッフの能力が決して低くないことを知っている。チーム防御率は11年が2.46、12年が2.58。それが、昨年は3.69、今年も3.19(24日現在)と悪化してしまった。
選手の起用法にも疑問を感じることが少なくなかった。投手陣、特にリリーフ陣はとっかえひっかえ状態。使うだけ使って、数度の失敗で二軍に落とされる。結果、福谷(24)、田島(25)、又吉(24)といった力のある投手が四球病に陥ってしまった。ミスが許されないと萎縮した結果だ。相手打者と戦う前に味方のベンチがプレッシャーをかけるのだから選手はたまらなかったろう。