土俵復帰の横綱白鵬 11月場所は“プロレス技”で本領発揮か
跳んで、張って、ヒジでKO――。大相撲11月場所はロープのないプロレスショーが見られるかもしれない。
左ヒザ炎症のため、9月場所を3日目から休場した横綱白鵬(30=写真)。昨20日の香川巡業で約1カ月ぶりとなる土俵復帰を果たした。
といってもまだ取組を行うほど回復はしておらず、四股を踏んでから、ぶつかり稽古で横綱鶴竜に胸を借りた程度。「まだ(相手を受け止めて)胸を出す脚力はない」と話した。
慎重になるのも無理はない。横綱昇進以来、休場を要する“重症”は初めてのこと。負傷箇所がヒザとあれば力士生命にも直結しかねない。11月8日に初日を迎える来場所の出場も危ぶまれており、土俵に上がれたとしても万全の状態ではないだろう。
しかし、その時こそ“暴君”の本領発揮だ。ヒザのケガで横綱相撲が出来ないのならば、「立ち合い変化」でかわしてしまえばいい。「張り差し」で相手の勢いを殺すのもありだろう。それでも向かってくる力士には、もはやかち上げとは呼べない「エルボー」炸裂だ。
品格を置き去りにした相撲でも、11月場所はヒザのケガという免罪符がある。少なくとも、これまでの白鵬の言動を振り返る限り、横綱らしからぬ相撲をとってもおかしくはない。
かくして11月場所のゴングが鳴り響く――。