「体験抱負なプロがベスト」 ゴルフ中継の“素人解説”に苦言
ノーマンは2オンし、マイズはニクラスの言うように右を狙って、右にはずしていた。そこからのチップショットを直接放り込んで勝っているのである。
優勝経験のある解説者に最終ラウンドの終盤にさしかかったとき、どんなコースマネジメントで戦ったか、プレッシャーにどう打ち勝ったか、そういうことを聞けたら、録画でも逃さずに見たい。
だから、今年の日本オープンは最終日まで、青木功に解説して欲しかった。1983年、今年と同じ六甲国際GC東コースで、青木が何度も優勝を逃した末にプレーオフで日本オープンを手にしたときのウイニングショットは今でもはっきりと目に焼きついている。グリーンの奥から見ていたら、左のバンカーに向かって飛んできた第2打(4番ウッド)はフェードしてピンの4メートル左をとらえていた。
戸張捷氏が解説するときは私は必ず音を消してテレビを見ている。彼にはトーナメントディレクターに専念してもらって、フジテレビの解説は水巻善典に任せて欲しい。
今年のANAオープンをテレビで見ていたら、解説者が優勝した石川遼のスローモーションを見ながら、「頭がまったく動かない」「軸がしっかりしている」「ダウンスイングを下半身から始動している」などと、まるでレッスンでもしているようなことを言っていた。「スイングのここがよくなった」とか「まだここに課題がある」といったことを言わなかったら「解説」とはいえない。