「一切オファーはない」 ソフトB退団の松中信彦が胸中語る
「ホント、そうですよね。僕自身もその勢いに乗せられるところでした(苦笑)」
――これまで世話になったチームを出ていくわけですから、よほどの覚悟があるんでしょう。
「そうですね。まあ、ボロボロになるまで野球をやるという気持ちはありますけど、ただ、自分の実力は自分が一番わかっていますし。今はどのチームも若返りが進んでいると思っていますから。来季42歳の選手が現役を続けるのは簡単ではない。そういう覚悟はできています。ですから他球団に行くことができたとしても、レギュラーを目指すということではなく、代打でも何でも、プレーしながら、自分の経験を含めていいものを若い子たちに伝えたいという気持ちが強いですね」
――元DeNAの中村紀洋は浪人までして現役続行にこだわりました。松中さんはオファーがなかった場合、浪人する意思はあるんですか?
「それは考えてませんね。若ければ、そういう選択もあるかもしれませんが(苦笑)。やはり、野手というのは試合に出られないと目が衰えていくんです。実戦から離れれば離れるほど、どんどん目の力は落ちていく。長くプレーしていても、やはり急に(上で)やれと言われれば、難しいところは正直あります。一軍と二軍では、投手のボールは全然違いますから。だから、自分の中でここまでという区切りは決めています。野球人生が終わった後にどうするかが大事ですから。浪人する時間があるなら、将来のことを考えて、どうやって教えるとうまく伝わるのかなど指導者としての勉強もしないといけません。(松田の打撃練習を眺めながら)あー、バットが下から出とるなぁ」
――韓国などの海外球団や独立リーグは?
「それも考えていません。自分はNPBで現役を終えたいと思っています。たとえば独立リーグにしても、何人も選手がドラフトで指名されている。僕が行く場所ではないと思います」