減りゆく国内女子海外挑戦 背景にツアー人気上昇のジレンマ
つまり国内で賞金レース争いを演じて、トップか2位にならない限りメジャーへの道はないのだ。
評論家の宮崎紘一氏がこう言う。
「女子プロ協会は試合が増えて喜んでいますが、どちらかといえば人気選手の海外流出をどうやって防ごうかと考えている節があります。国内ツアーは今、外国勢が圧倒的に強い状況ですが、それでも男子ツアーに比べたら大会スポンサーに手を挙げる企業が多く、女子ツアーには追い風が吹いてます。本来なら女子プロ協会が率先して世界で戦える選手を育て、人気、実力とも世界レベルの日本人選手を増やしていかなければならないのですが、目先の試合を増やすことばかりに一生懸命です。日本人選手のメジャー出場機会が少なくなれば、必然と選手のレベル低下につながり、長い目で見れば男子ツアー同様、衰退していくしかないでしょう」
2011年からの5年間で、賞金トップ2を外国勢が占めたのは4回もあった。本来なら日本人プロのためのメジャー出場資格が、毎年のように外国勢にさらわれている。一見華やかな女子ツアーも、日本人プロのレベルダウンは隠しようもないわけだ。